WindowsServer2008/2008 R2の延長サポートが2020年1月14日に終了しましたね。
社内サーバだと予算の都合上で来年度以降の対応にしている企業も多いかと思います。
一昔前の更改案件であれば、新規で物理サーバから構築してパッケージを新しいものに乗せ換えて、データ移行するというやり方がほとんどだったと思いますが、時間とコストがかかってしまうのがネックでした。
数ヶ月前の案件で、AWS環境のEC2に構築したWindowsServer2008R2を短期間でOSアップグレード対応できないかという相談がありました。サーバ上のパッケージはアップグレード先のWindowsServer2012R2に互換性があるため改修不要とのことだったので、サーバを新規構築せずにOSアップグレードで対応しました。
OSアップグレード方法は2通りあるので、それぞれまとめていきます。
目次
1. AWS SSM Automation
AWS SSM(AWS Systems Manager)は、WinodwsUpdate等のオペレーションタスクを自動化することのできるサービスです。
WindowsServer2012R2にアップグレードする自動化ワークフローはAWSから提供されているため、SSMエージェントインストールや、SSM用のIAMロール等を準備すれば実行可能です。
メリット
SSMで実行するとOSアップグレードに必要なステップが自動で実行されます。
SSM完了後に作成されたAMIからEC2を作成すれば、WindowsServer2012R2が起動されます。
前述の通りワークフローは用意されているので、OSアップグレードを簡単に実行することができます。
デメリット
AWSブログ記事が若干読みにくかったのと、SSMをあまり使用したことがなかったため事前準備に時間がかかってしまいました。
課題
複数あるサーバの内、検証サーバの一台だけが何回トライしてもアップグレードのステップでタイムアウトしてしまいました。
検証サーバはOSの起動が極端に遅いサーバでしたので、EC2のインスタンスサイズをスケールアップしたり、不要なサービスを停止したのですが、症状は改善しませんでした.
今回は短期間ということもあり、調査に見切りをつけて後述の方法で対応することにしました。
参考URL
2. OSインプレースアップグレード
パブリックスナップショットに、WindowsServer2012R2日本語版のインストールメディアがあるので、ボリューム作成後にEC2にアタッチしてインストーラを実行することで、OSアップグレードが可能です。
メリット
SSMに比べ事前準備は比較的に少なめで済みます。
手動となりますが手順はシンプルなため短時間で対応することが可能です。
デメリット
SSMと違い稼働中のEC2をアップグレードするためダウンタイムが発生します。
上記はAMIから別途EC2を作成すれば解決するため、大したデメリットではありません。
課題
特に問題なくOSアップグレードできました。
大体のサーバは十数分程度でアップグレードが完了したのですが、SSMでタイムアウトした検証サーバだけは50時間以上かかりました。
動作検証がだいぶ不安だったのですが、特に問題は発生しませんでした。
参考URL
- [EC2]Windows Server 2008 R2 をインプレースアップグレードしてみた
※元記事が削除されていたので、Wayback Machineのアーカイブとなります。 - インプレースアップグレードを実行する
まとめ
結果的に問題なく移行が完了したので一安心しました。
今後は一度構築されて塩漬けされたサーバは、用心深く対応しようと思います。
もしWindowsServer2008R2のOSアップグレードを検討されている方がいれば、この記事が何かしら参考になれば幸いです。