2020年11月25日のInfra Study Meetup #8「インフラの研究開発」にオンライン参加しました。研究開発には普段の業務で関わることがほとんどなかったので勉強になりました。
今回の基調講演は、前回までモデレーターを担当していたまつもとりーさんとなります。
昨日の発表は、一般的な研究者の社会の貢献については色々と説明が世にある中で、じゃあ企業で給料もらって研究している人、企業内研究チームの立ち上げを考えている人はどう考えれば良いかという疑問に、企業への貢献の側面から参考になる話ができたかなと思う。 #InfraStudy
— Ryosuke Matsumoto / まつもとりー (@matsumotory) November 26, 2020
テーマ
第8回「インフラの研究開発」
動画
https://www.youtube.com/watch?v=br0ttIeAhpE&t=1486s
Slido
https://app.sli.do/event/k3krf8hk/live/questions
基調講演
松本 亮介氏(@matsumotory)による基調講演です。
企業研究の価値やこれからについて詳細に言語化された内容でした。
スライドは文字が多めだったので、是非動画でも見ていただきたいです。
個人的に一番興味深かった話は以下の部分です。
エンジニアは、ほぼ研究開発に当たることを最近は取り組んでいる。
世の中に公開された情報やソフトウェアを単に使うだけだと自分たちの会社じゃ使えなくて、自分たちの問題意識やスコープの中でどう工夫するか、どうやればうまく使えるか、良くなっていくかを考えながらアレコレ取り組んでいく。
これは特定のスコープの中で新しいことに取り組んでいるので、一種の研究といえる、得られた知見をアウトプットにしてブログ等で見える化され、そこで作られたソフトウェアや経験談はすごく価値がある。
ただそれが本当に良い選択だったのか、他と比べた評価とか整理はすごく時間がかかる。
だからこそ研究者が言語化して評価し、うまく整理して効率的に議論・再利用可能とする必要がある。
エンジニアが現場で得られた物をアウトプットし、研究者が言語化・評価するというサイクルが回ることで、多くのベストプラクティス等が世に誕生しているのだろうなと感じました。
質疑応答
基調講演終了後の気になった質疑応答をまとめました。
現場で必要とされている事、困っている事をキャッチアップする仕組みとは
研究に対する予算、評価
さくらインターネットでは研究者がアイデア提案からマネタイズするところまでのストーリ説明責任を負うのか
LT1(Sponsor)「監視ツール」
MetricFire 遠藤 共峻氏によるLTです。
MetricFireというオープンソース監視ツールのPrometheus,Graphite,Grafanaを基盤とした監視プラットフォームのご紹介でした。
2020年に日本オフィスを解説し、日本語による24時間サポートを開始したそうです。
LT2「Cloud TPU を用いた自然言語処理のためのインフラ基盤の構築」
ストックマーク株式会社 近江 崇宏氏(Github)によるLTです
自然言語処理を用いたニュース記事分析のために、GCP上にBERT処理基盤インフラを開発したお話でした。
TPUというGoogleが開発した機械学習の処理に特化したチップなんてあるんですね。
LT3「Proxy-Wasm: エッジでのWasm研究開発最先端」
Takeshi Yoneda氏(@mathetake)によるLTです
Proxy-Wasm周りや開発状況に関するお話でした。
Proxy-wasm and its landscapeはこちら。
LT4「コンテナ型仮想化技術におけるネットワーク分離の研究開発事情」
公立はこだて未来大学大学院 中田 裕貴氏(@chiku_wait)によるLTです。
コンテナのネットワーク分離に関するアカデミアでの研究紹介でした。
この勉強会で、さくらインターネット研究所のインターンにきた噂のちくわくんさんを見ることになるとは思いもしませんでした。
まとめ
新しい技術が次々と出てきて、トレンドサイクルが昔に比べて遥かに早くなったように感じています。それにより技術選定やアーキテクチャ設計のより最適解を見つけ出すのが難しくなりました。
そういった場合にエンジニアが頼りにするのは、その分野のベストプラクティスとなります。
今後もエンジニアの取り組みが研究者に言語化されることで、より良い技術の使い方が世の中に多く広がるといいですね。
次回の勉強会は12月21日となります。
この勉強会も残すところ後2回となりましたので、全力で楽しんでいきましょう!!